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エアコンクリーニングは退去時に必要?負担区分と費用相場を解説

エアコンクリーニングは退去時に必要?負担区分と費用相場を解説

2026年8月11日

コラム投稿元 退去立会い代行・原状回復Navi運営チーム

賃貸物件の退去時に「エアコンクリーニング費用を借主に請求してよいのか」と迷う大家さん・管理会社の担当者は少なくありません。エアコンは室内設備であり、通常のハウスクリーニングとは扱いが異なる場面もあります。本記事では、設備としてのエアコンの位置づけを整理したうえで、退去時のエアコンクリーニングの負担区分の考え方、費用相場、特約を設ける際の注意点を実務目線で解説します。トラブルを避け、適切に費用精算を行うための参考にしてください。

退去時のエアコンクリーニングは必要か

まず前提として、エアコンクリーニングが「必ず退去時に行わなければならない」という法的な義務があるわけではありません。ただし、次の入居者に気持ちよく使ってもらうため、また設備を長持ちさせるメンテナンスの観点から、退去後のタイミングでエアコン内部の洗浄を行うオーナーは多くいます。

エアコンは長期間使用すると、内部のフィンやファンにホコリ・カビが蓄積します。表面のフィルター掃除だけでは取り切れない汚れがあり、放置するとカビ臭や冷暖房効率の低下につながります。空室期間のうちに専門業者へ依頼しておくと、内見時の印象も良くなります。

退去後の空室で行うクリーニングと、入居中に行うクリーニングでは段取りや費用感も変わります。その違いは空室クリーニングと在宅クリーニングの違いと使い分けでも整理していますので、あわせて参考にしてください。

設備としてのエアコンの扱い

エアコンクリーニングの負担区分を考えるうえで重要なのが、「エアコンが誰の所有物か」という点です。

貸主(大家)が設置した設備エアコンの場合

物件にもともと備え付けられているエアコンは、貸主が所有する「設備」です。設備の維持管理は基本的に貸主の責任とされており、経年劣化や通常使用による汚れ・機能低下は、原則として貸主が負担すべきものと考えられます。

エアコン内部の汚れの多くは、通常の生活のなかで自然に蓄積するものです。国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」の考え方に照らすと、こうした通常損耗・経年劣化に該当する部分は、賃料に含まれるものとして貸主負担とされるのが一般的です。

通常損耗と経年劣化の線引きについては経年劣化と通常損耗の違いで具体例を交えて解説しています。

借主が持ち込んだエアコンの場合

借主が自分で購入・設置したエアコンは借主の所有物です。退去時には借主が撤去して持ち出すのが原則で、この場合のクリーニングは貸主の関知するところではありません。ただし、取り付けの際に壁に穴を開けた、配管スリーブの処理が不適切だったなどのケースでは、その補修について別途負担の議論が生じることがあります。

負担区分の基本的な考え方

設備エアコンのクリーニング費用について、負担区分を整理すると次のようになります。

ケース 負担の考え方(一般的な傾向)
通常使用による内部の汚れ・カビ 貸主負担とされることが多い
フィルター掃除を怠ったなど、明らかな手入れ不足 借主負担が問われる場合がある
借主の故意・過失による汚損・故障 借主負担とされることが多い
有効な特約でクリーニング費用を借主負担と定めた場合 特約に従う(条件あり)

ポイントは、単なる経年劣化・通常損耗にあたる汚れまで一律に借主へ請求することは、トラブルの原因になりやすいという点です。原状回復の負担区分の全体像は原状回復費用の負担区分|貸主負担と借主負担の境界線で詳しく解説していますので、判断に迷う場合はご確認ください。

エアコンクリーニングの費用相場

エアコンクリーニングの費用は、機種や台数、清掃範囲によって幅があります。おおよその相場は次のとおりです。

タイプ 費用相場(1台あたり・目安)
壁掛けタイプ(お掃除機能なし) 8,000〜14,000円程度
壁掛けタイプ(お掃除機能付き) 15,000〜25,000円程度
天井埋め込みタイプ 20,000〜35,000円程度

お掃除機能付きのエアコンは分解に手間がかかるため、費用が高くなる傾向があります。複数台をまとめて依頼すると割引が適用される業者もあります。また、退去後のハウスクリーニング一式とセットで発注すると、単発で頼むより割安になるケースもあります。ハウスクリーニング全体の相場感は退去後のハウスクリーニング費用相場を参考にしてください。

特約で借主負担にできるか

「退去時のエアコンクリーニング費用は借主負担とする」といった特約を設けているケースもあります。こうした特約が有効と認められるためには、一般的に次のような条件が求められるとされています。

  • 契約書に具体的な内容・金額(またはその算定根拠)が明記されていること
  • 借主が特約の内容を認識し、合意していること
  • 通常損耗の補修まで借主に負わせる特別の負担として、その必要性・合理性があること

これらの条件を満たさない曖昧な特約は、無効と判断される可能性があります。特約の有効性の考え方は、ハウスクリーニング特約の観点からハウスクリーニング特約は有効?借主負担にできる条件でも解説しています。特約を設ける場合は、金額の明示と丁寧な説明を心がけることが、後々のトラブル防止につながります。

トラブルを防ぐための実務ポイント

エアコンクリーニング費用をめぐる認識のズレは、退去時の敷金精算トラブルに発展しがちです。以下の点を押さえておくとよいでしょう。

入居時の状態を記録しておく

エアコンの型式・設置年・入居時点の汚れ具合を写真などで残しておくと、退去時に「もともとの汚れか」「入居中に生じたものか」の判断がしやすくなります。入居時の記録の残し方は入居時チェックが原状回復トラブルを防ぐで詳しく紹介しています。

契約内容を明確にする

設備エアコンのメンテナンス責任や、借主負担とする場合の特約内容を契約書に明記しておきます。口頭の説明だけでは、後から「聞いていない」と言われる恐れがあります。

立会い時に丁寧に確認する

退去立会いの際に、エアコンの状態を借主と一緒に確認しておくと、認識の食い違いを防げます。清掃費用の負担についても、その場で根拠を示して説明することが大切です。立会いの精度に不安がある場合や遠方物件の場合は、退去立会い代行・原状回復・クリーニング会社を比較できる当サイトで、地域や条件に合った業者を探すことも選択肢になります。

まとめ

退去時のエアコンクリーニングは、法的に必須というわけではありませんが、設備の維持と次の入居者への印象の観点から実施するオーナーが多い作業です。負担区分については、以下の点を押さえておきましょう。

  • 備え付けのエアコンは貸主の設備であり、通常使用による内部の汚れは貸主負担とされるのが一般的
  • 借主の手入れ不足や故意・過失による汚損は借主負担が問われることがある
  • 借主負担とするには、金額の明示や合意など、有効な特約の条件を満たす必要がある
  • 費用相場は機種により1台8,000〜35,000円程度と幅がある
  • 入居時の記録と契約内容の明確化が、トラブル防止の鍵

エアコンクリーニングの扱いを適切に整理しておくことで、退去精算をスムーズに進められます。自物件の契約内容や負担区分を、この機会に改めて見直してみてはいかがでしょうか。

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