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退去立会いの流れと当日のチェックリスト|見落としやすい箇所

2026年9月8日

コラム投稿元 退去立会い代行・原状回復Navi運営チーム

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退去立会いは「入居時の記録との比較」がすべての起点になる

退去立会いで最も大切なのは、当日の目視だけで判断しないことです。入居時に残した写真やチェックシートと現状を突き合わせ、「いつからあった損耗か」を確認して初めて、貸主負担と借主負担の切り分けができます。逆に言えば、入居時の記録がなければ、退去時にどれだけ丁寧に見ても判定の根拠が弱くなります。

本記事では、退去立会いの流れを「事前準備」「当日の確認」「立会い後」の3段階に分けて整理し、当日に見落としやすい箇所をチェックリスト形式でまとめます。退去立会いを自社で行う管理会社の担当者やオーナーはもちろん、代行業者に依頼する場合に共有すべき情報の整理にも使えます。

事前準備:立会い前に揃えておくもの

当日の確認をスムーズに進めるため、次の資料と物品を事前に用意します。

  • 賃貸借契約書(特約の内容、鍵の本数、敷金額の確認)
  • 入居時のチェックシートと写真(部屋ごと・設備ごと)
  • 入居中の修繕履歴(設備交換や修理を行った記録)
  • 退去立会いの確認書(借主の署名欄があるもの)
  • カメラまたはスマートフォン、メジャー、懐中電灯、養生テープなどの記録用具
  • 借主への事前案内(立会い日時、所要時間の目安、持ち物、荷物の搬出を済ませておくこと)

とくに「荷物をすべて搬出した状態で立ち会う」ことは、借主に事前に伝えておく必要があります。家具が残っていると床や壁の確認ができず、後日改めて確認する二度手間になります。

当日の流れ

退去立会い当日の一般的な進め方は次のとおりです。所要時間は単身向けで30分前後、ファミリー向けで1時間程度が目安です。

  1. 借主と挨拶し、立会いの目的(現状の確認と記録であり、金額の確定は後日であること)を説明する
  2. 玄関から順に、部屋ごと・面ごとに確認と撮影を進める
  3. 損耗を見つけたら、借主に発生時期や経緯を聞き取り、その場で記録する
  4. 設備の動作確認(給湯器・エアコン・換気扇・コンロ・インターホンなど)を行う
  5. 残置物の有無を確認し、残っていれば処分の扱いを協議する
  6. 電気・ガス・水道の停止手続きと、郵便物の転送手続きの状況を確認する
  7. 鍵を本数どおり受け取る
  8. 確認書に記録内容を記入し、借主の署名をもらう

金額をその場で断定しないことは重要です。見積もりを取る前に金額を伝えてしまうと、後で増減したときに合意が崩れ、精算トラブルにつながります。精算の進め方は 敷金精算の流れとトラブル防止策 で解説しています。

場所別チェックリスト

以下は、退去立会いで確認する箇所を場所ごとに整理したものです。印刷して当日の確認書と併用することを想定しています。

玄関・廊下

  • ドアの開閉、鍵の施錠、ドアクローザーの動作
  • 靴箱の内部(カビ・臭い・棚板の破損)
  • 廊下の床の傷・へこみ、巾木の破損

居室

  • 壁クロスの汚れ・剥がれ・画鋲やネジの穴の大きさ
  • 床の傷・へこみ・変色(家具の設置跡は通常損耗として扱われるのが原則)
  • 窓ガラスのひび、サッシの動作、網戸の破れ
  • カーテンレール、照明器具(付帯設備の場合)の有無と動作
  • エアコンの動作、フィルターの汚れ、リモコンの有無
  • 収納内部のカビ・臭い、棚板の破損

キッチン

  • コンロ・グリルの動作、油汚れの程度
  • 換気扇の動作、フィルターの状態
  • シンク・排水口の詰まり、シンク下のカビ・水漏れ跡
  • 吊戸棚内部の汚れ

浴室・洗面所・トイレ

  • 給湯器の着火、シャワーの水圧、浴室乾燥機の動作
  • 浴槽・壁のカビ、コーキングの剥がれ
  • 洗面台の水漏れ、鏡の腐食
  • 洗濯機パンの排水口、蛇口の水漏れ
  • 便座の割れ、温水洗浄便座の動作、床の変色

ベランダ・共用部分

  • ベランダの物置き・ゴミの残置、排水溝の詰まり
  • 避難ハッチや隔て板の破損
  • 郵便受けの鍵・名札の撤去

見落としやすい箇所

経験の浅い担当者がとくに見落としやすいのは、次のような場所です。

  • 家具の裏側にあった壁面:搬出直後に初めて見える面は確認漏れが起きやすい
  • エアコンの内部と配管の穴:フィルターは見ても、内部のカビや配管まわりのビス穴を見落とす
  • 結露によるサッシまわりのカビ:借主が結露を放置して拡大したカビは借主負担となることがある一方、建物の構造によるものは貸主負担となるため、程度の記録が重要
  • タバコやペットの臭い:目視では分からないため、換気前に入室して確認する
  • 鍵の本数:契約書に記載された本数と、スペアキーの複製の有無まで確認する
  • 付帯設備と借主の私物の区別:照明器具・カーテンレール・ウォシュレットなど、借主が持ち込んだ物を撤去するのか残すのかを確認する

負担区分の判断に迷う損耗については、国土交通省のガイドラインの考え方に沿って整理します。具体的な区分の例は 原状回復の負担区分 を参照してください。

立会い後に行うこと

立会いが終わったら、次の作業を速やかに進めます。

  • 撮影した写真を部屋・箇所ごとに整理し、確認書と紐づけて保存する
  • 原状回復工事やクリーニングの見積もりを取る
  • 見積もりをもとに貸主負担・借主負担を区分し、精算書を作成する
  • 借主へ精算書と根拠(写真・見積書の内訳)を送付する
  • 工事の発注と、次の入居者募集の準備を並行して進める

見積もりの取り方や工事項目ごとの費用の見方は 原状回復工事の費用相場と見積もりの見方 にまとめています。

代行業者に依頼する場合に共有すべき情報

退去立会いを代行業者に任せる場合、業者は物件の履歴を知りません。次の情報を事前に渡しておくと、報告書の精度が上がります。

  • 入居時のチェックシートと写真
  • 契約書の特約(クリーニング費用の負担、鍵交換費用の扱いなど)
  • 入居中の修繕履歴と、付帯設備の一覧
  • 鍵の本数、オートロックや宅配ボックスの暗証番号の取り扱い
  • 借主との間で事前に話が出ている懸念点

退去立会い代行の仕組みや費用については 退去立会い代行とは? で解説しています。

まとめ

退去立会いは、入居時の記録との比較を起点に、部屋ごと・面ごとに確認と撮影を進め、金額はその場で断定せず「事実の記録」にとどめるのが基本です。家具の裏側、エアコン内部、結露によるカビ、臭い、鍵の本数といった見落としやすい箇所は、チェックリストで機械的に確認する運用にしておくと、担当者による品質のばらつきを減らせます。

自社で立会いを回しきれない場合や、遠方物件の退去が発生した場合は、退去立会い代行・原状回復Naviで物件のあるエリアの事業者を探し、報告書の形式や対応範囲を比較してみてください。

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